スポーツタイムマシン2度目の展示「つくるスポーツ/するアート」展、終了のお礼。(と続き)

2020年10月4日〜11月8日の36日間にわたって行ったスポーツタイムマシンの再展示「つくるスポーツ/するアート」展@鹿児島県霧島アートの森が無事に終了しました。

前のブログでは、2015年10月に初めてスポーツタイムマシンを鹿児島で展示し、その後、2020年のために様々に足を運んだ話までしかかけなかったので、続きをすこし。



【 PART2 その後】


2016年から撃沈を続けながらスポーツタイムマシンの再展示を模索し、2019年のある日それは突然やってきました。


「2020年の国体・障害者スポーツ大会に向けたスポーツとアートの展示をしたいけれど...」

という霧島アートの森の学芸員宮薗さんからの連絡。


左が霧島アートの森主任学芸員(2015〜19年)の宮薗さん。その後、右の田中さんが担当を。真ん中が私。2019年撮影。


そこで、わたしは、すかさず

「実は、2015年に、スポーツタイムマシンを最後に走りに来た女の子たちと約束をしているので、それを叶えたい」

と説明。そして5年がたったいま展示する意味を含めて、ただの再展示ではなく、スポーツタイムマシンをつくったアーティストふたりのことを展示にしたい(ざっくりな要望...汗)、とさらに提案。犬飼さんがやっている「未来の運動会」@御茶ノ水 に鹿児島から市村さんが参加したり。安藤さんが参加しているフェスティバルトーキョーのイベントをわたしが見に行ったり、、、と、ふたりの活動をどう展示できるのかもんもんと鹿児島チームは考え続けました。



ただ、、、その後に、パンデミック到来。

オリンピック・パラリンピックが延期になり、しばらくして、国体・障害者スポーツ大会も延期に。本来、このスポーツの機運高まる季節だからこそ予定していた展覧会の立ち位置はいかに...!?と、がらがらと状況が変わり、予算的、企画的にもろもろ変更することに。


できることとできないことを整理したり、どこまでできるのか、感染症か予算か何が問題か、を考えつつ会議を重ね、2020年5月、緊急事態宣言直後の会議で「それでもスポーツをつくり、アートをするという態度」が重要というワードが浮上しました。(2020年5月19日議事録)


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そして最終的に決まった

「つくるスポーツ/するアート」展

とそのコンテンツ

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01搬入プロジェクト

02とびだせ!ガリ版印刷発信基地

03みなさんと滞在制作する。スペースタイムグラウンド

04「未来の運動会プロジェクト」と「スポーツ共創」

05スポーツタイムマシン


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やるということに揺るがない霧島アートの森の学芸員3人衆。

スポーツをつくり、アートをすることを、それでも続ける2人のアーティスト。(犬飼さん、安藤さん)

子どもたちとの約束を果たしたい鹿児島の3人(早川、市村、四元)

は、話し合いを続けて展覧会を作っていきました。



すると、パンデミック下に本展を実施するにあたり、どのように受け入れられるかという不安を払拭するかの如く、次々と多くの方が気持ちを寄せてくれたのです。

搬入プロジェクトの実施に、快快の佐々木文美さん悪魔のしるしの石川卓磨さん、菅野広樹さん(遠方から金森香さん、宮村ヤスヲさん)、そして、鹿児島大学工学部建築学科の柴田先生、増留先生、小山先生のゼミ生有志がCARRY-IN-PROJECTチームを組んで参加。また、搬入物体制作のために、栗野駅前老谷家具店の老谷浩二さんが制作をサポート。また地元焼酎メーカーの方がP箱50ケースを、株式会社オンドデザイン、37designが工具を、鹿児島市と霧島市が集灰袋を貸出。

快快の佐々木文美さん、悪魔のしるしの石川卓磨さん、菅野広樹さん

鹿児島大学工学部建築学科 有志による CARRY-IN-PROJECTチーム



そして、湧水町立上場小学、幸田小学校、栗野小学校、轟小学校、吉松小学校、栗野中学校、吉松中学校が運動用具(玉入れの玉とかごや、綱引きの縄などの用具に応援グッズなどなど大量に...)を会期中貸してくださいました。


山口からはYCAMの渡邉さん、安東さん、金子さんが、仕込みのサポートを買って出てくれて...

渡邉さん、安東さん、金子さんがきたことで仕込みが急速に前進。


会期中ずっと会場で滞在制作をすると言ってくれた犬飼さんのためにレジデンスを探し、《吉松の住宅》 を整備してくださった湧水町役場の皆さんに、アーティストの長期滞在をあたたかく受け入れ、お月見や食事会などをしてくれた住居近隣の方々。

アーティスト来鹿初日の歓迎会はお月見。地元の方が手料理で歓迎してくださいました。


何かご一緒できるかも!と連絡をくださった宮崎のんまつーポスは、会場でzoom授業を宮崎県の生徒に向けて実施し、展覧会の紹介も。

んまつーポスは、zoom授業を。遠隔地のこどもたちへの授業がうまい。


5年前に走った記録に再度挑戦しにきてくれた鹿児島ユナイテッドFCの田上応援リーダー。


本展の意図を読み解き、5年前のランナーに声かけをしてくれたメディア各社の方々や、アミュプラザ鹿児島のビジョンを貸してくださったみなさん。

5年前の会場 アミュプラザ鹿児島のアミュ広場ビジョンでも呼びかけ。


「十五夜に稲刈り後の藁を使って縄をつくり、綱引きと相撲をする」という鹿児島の文化を再現すべく、藁の提供に地元の有機農業を手掛ける内海さん、と、奥様 かやさんとお子さんたち。

内海さん提供の藁で、11/3にはワークショップが実現。


「03みなさんと滞在制作する。スペースタイムグラウンド」と「05スポーツタイムマシン」を繋ぐ、等身大草間彌生を作り、走らせてくれた来場の皆さん。

等身大草間彌生さまは必見のデータになりました。


最終日、締めのトーク配信に参加してくれた伊佐市在住のCICO



本当に恐縮ですが書ききれていないほどの多くの方が会期中に来場し、参加し、協力し、スポーツをつくり、アートをする、奇跡のような瞬間が日々生み出されていった感じでした。


会期終了後に会場を片付けながら、

ほんの数ヶ月前、たしか春ころには「不要不急ではない」とみられていたようなスポーツやアートの活動は、多くの人に望まれていた、みんなが待ってたことだったのかな、とも思って。

この展覧会ができたことに感謝です。

ちなみに来場者は約10,000人。スポーツタイムマシンを走ってくれた方は約1,400人。

ありがとうございました。

霧島アートの森スタッフのみなさんと
鹿児島県霧島アートの森の総務課長、学芸員、受付の方、カフェの方、警備員さん、そしてこどもたちと最後にスポーツタイムマシンで行進!



スポーツタイムマシン、今度は2023年に延期になった鹿児島国体・障害者スポーツ大会のときに会えるかな。

またもや長文になりました。読んでいただき、ありがとうございます。またお会いできる日を楽しみに。

よつもとともこ

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